京都・滋賀、幸せの日本酒ブログ

美味しいご飯と日本酒と、時々、オツマミ

日本酒がなかったら「karasumaoike UI」はなかった

2020年3月10日

京都で最もにぎやかなエリアから、ほんのちょっと外れたところ。国際漫画ミュージアムの近くに「karasumaoike UI からすまおいけ うぃ」というビストロがあります。

京町家をシックに改装された空間が居心地よく、料理やお酒も美味しい。いつ行っても、お尻に根が生えてしまうお店です。

そんなUIさんがオープンしたのは2019年3月29日で、そろそろ初めての誕生日を迎えます。この1年間どうだったか、オーナー・あきひこさんにお話しをうかがってきました。

ビストロ karasumaoike UI

あきひこさん:ボク、めっちゃ日本酒アンチやったんですよ。でもあることがキッカケで日本酒が好きになり、ワインも大好きなので。そういう美味しいお酒があるということを、ぜひ知ってもらいたいと思ったんです。

「洋食とワイン」のお店は、よくありますよね。でも「洋食とワイン」「洋食と日本酒」両方を推してるお店は少ない。それをカジュアルに、料理と日本酒とワインを楽しんでもらいたいという気持ちで1年前にお店をオープンしました。

そんなにガチャガチャしてない所にある京町家を、いろいろご縁が重なって借りられたのも大きいです。落ち着いた所でお店やりたくてね、控えめな性格なので (笑)。

あきひこさん

――店名の「UI」はどうやって決めたんですか?

あきひこさん:ロゴから入りました。ネーミングが苦手で悩んでたんですけど、仙禽せんきん の「羽水 UI」という日本酒を見て「縦に並べたらワイングラスになるやん!」って思ったんです。

ワインと日本酒を扱い、日本酒もワイングラスで出そうって決めてたんで「これ、いいんちゃうか」と。日本酒からヒントもらえたんで後で語れるな、と (笑)。

それでお店の改装をしてくれてる建築デザイナーにロゴを作ってもらって、そのまま店舗名も「karasumaoike UI」にしました。

短くてスパッとわかりやすい。でも、他にあまりない店名で気に入ってます。サルティンなんちゃらとかトラットリアなんちゃらだと、ちょっと硬いイメージになるでしょ。

UIのロゴ

――どんなコンセプトで料理を出されてるんですか?

あきひこさん:UIは、ビストロ(カジュアルに料理とワインが楽しめる小レストラン)です。「フレンチ」とか「イタリアン」みたいなこだわりは、ないです。

洋食ですけど和のテイストも入れたり、素材の味を引き出すような「シンプルな料理」を目指してます。ビストロの王道を行きながらも、ちょっとクッと曲がった感じですね (笑)。

でも、シンプルな料理ってごまかせないんですよ。だから原価率高くなっても材料にこだわったり、グラタンなら丁寧に裏ごしするとか、目に見えない手間暇も惜しまないようにしてます。

「フレンチみたいに華やかじゃないけど、なんかこれ美味しい」とか。「着飾ってないけど、これいいやん」って思ってもらいたいなぁと、精進してます。

karasumaoike UI 鴨のベリーソース
鴨のベリーソース

あきひこさん:ボクでは足元にも及ばへんけど「Le Mange-Toutル・マンジュ・トゥー」というお店の谷昇たにのぼるシェフのことを尊敬していて、著書も拝読してます。

高級フレンチなんですけど、着飾った感じではなくて。すごく良い素材を使ってるけど、シンプルに訴えかける料理を作ってはって。畑は違えど谷さんの料理が好きで、影響受けてます。

それから「コンセプト」って言えるかわからないけど、楽しんでもらえることを一番大事にしたいと思ってます。

――日本酒はどんな銘柄を置いてるんですか?

あきひこさん:うちで出す魚料理や肉料理に合わせて置いてるのとか、自分が大好きで置いてるのがあります。魚料理が多いので、魚介系に合う日本酒が多いかな。

蒼空そうくう英勲えいくん・澤屋まつもと・玉川なんかの京都のお酒は、よくご注文いただくので置いてます。わりと観光客のお客様が多いのかな?滋賀の三連星なんかも出ます。

個人的に「新政(あらまさ) No.6」が大好きで、絶対メニューに入れようと思ってました。

「新政 No.6」をご注文いただいたお客様が「美味しい」と言ってくれて。「全然、酒屋に売ってへん」ってまた来てくれはったり。そういうの嬉しいですね。

新政 No.6

あきひこさん:お店始めてから、どんどん不老泉ふろうせんが好きになってきて。美味しいよね~、不老泉 (笑)。

うちのお酒の中では、一番個性的なテイストの日本酒です。肉料理を注文してくださったお客様にお勧めすると、好評です。

お店に余裕と時間ができたら、上原酒造さん(不老泉の酒蔵)に行きたいですね。まだ飲めてない他の「不老泉」もあるので、制覇したいです。

不老泉

――酒器は、ワイングラスだけですか?

あきひこさん:はい、リーデルのワイングラスだけです。高いんですけど、飲み口が全然違いますね。やっぱり、良いグラスで飲むと味わいが全然違います。

リーデル以外に2つぐらい使ってみたいグラスがあるんですけど「さすがにこれはちょっと無理」っていう値段でした (笑)。それで、このリーデルだけを使ってます。

冬場にもっと「燗酒欲しい」って言われるかと心配してたんですけど、全然なくて安心してます。ロゴもワイングラスだし、このままワイングラスだけでいく予定です。

リーデル

――どんなお客様が多いですか?

あきひこさん:女子会ですね。30代から50代ぐらいの女性が、使ってくださってます。家族連れやビジネスマンも来られますが、多くはないです。

日本酒とワインのご注文比率は「4:6」から「3:7」ぐらいかな。お店の雰囲気がワインっぽいから、ワインを飲みに来られるお客様の方が多いですね。

独立前から一日本酒ファンとしてTwitterをやってるので、フォローしてくださってる方が飲みに来てくださることもあります。最近、少ないけど (笑)。

なぜ karasumaoike UI を始めたか、そしてこれから

――そもそも、どんな経緯で飲食店を開店しようと思われたんですか?

あきひこさん:自分でお店を出そうと思ったのは25歳ぐらいのときです。それで、35歳ぐらいで実現しようと目標を立てました。

そこから逆算して、どんなことするべきか考えながら仕事を選んでました。厨房もやったし、ホテルのホールもやったし。

でも飲食業界はきつい仕事なので、結婚したときに妻と話しあって「普通の時間に帰れて、普通に生活できる仕事」に就くことになり、一度飲食を離れて営業マンをやりました。

でも、やっぱり「自分のやりたいことをやって進んでいきたい」という気持ちが強くて、飲食に戻りました。

karasumaoike UI パテ・ド・カンパーニュ
パテ・ド・カンパーニュ

あきひこさん:気がづけば38歳。どんどん歳を取っていくんですよね。だんだんしんどくなるし、踏ん切りがつかなくなる。

「ここで動かないと、もう動けへんのちゃうかな」「自分が腰を上げるタイミングは今しかない」そう思って動きました。

飲食業界って「独立したい」と口にしてても独立できない人、山ほどいるんです。同じお店に長くいすぎて、しがらみで辞められなくなったりとか。

ボクがお店を出せたのは、遅れたけど「35歳ぐらいで独立」という目標があったから。飲食の仕事を続けられたのも、目標があったからですね。

――1年間、お店を経営してみてどうでしたか?

あきひこさん:まぁ~大変でしたね。何とかやってこられた、っていう感じの1年でした。

自分で経営して軌道に乗せていくのが、難しい。失敗ばかり。これは上手いこといった、っていうのが何もない (笑)。

もっとこうすればよかったと反省することばかりで、落ち込むこともあります。でも引きずってもしょうがないし、次どうしたらいいかって考えてプラスに変えていくだけです。

karasumaoike UI 帆立の西京味噌漬け
帆立の西京味噌漬け

あきひこさん:最初から完璧なお店はないし。省みるのは大事だけど、振り返り過ぎるのはダメ。あんまり頑張り過ぎるのも、ダメ。

去年の末にとうとう体調崩しちゃって、それがお客様に伝わっちゃうんですよね。だから、頑張り過ぎて余力が無くなるのは、かえって良くないと気づきました。

社員を入れることも、考えたいですね。まだ繁盛してるとは言えないし大変だけど、そこは挑戦していかないと未来がないかなって思ってます。

――これから、どんなお店を目指したいですか?

あきひこさん:にぎわって欲しい (笑)。お酒が好きな人であふれるお店にできたら、一番いい。一番嬉しい。そうなってきたら「お店を出してよかった」って感じられるかなって思います。

それから、もっと日本酒好きの方にも来ていただきたいですね。ワインのご注文が多い中で日本酒を頼むお客様が来ると、すごく嬉しい。

うちは外からパッと見て「日本酒を置いてるお店」って感じがしないので、地道に浸透させていきます。日本酒とワインの注文割合が五分五分ぐらいになったら、おもしろそうでしょ。

美味しい日本酒に出会わなければ「karasumaoike UI」はなかった

――あきひこさんにとって「日本酒」とは何ですか?

あきひこさん:日本酒がなかったら「karasumaoike UI」はなかったですね。こういうスタンスのお店はやってないし、名前もぜんぜん違ったと思います。

お酒をウリにしてなかったかもしれないし、どういうお店にしてたか想像がつかないですね。もしかしたら、独立してないかもしれないです。

日本酒があったから、こういうお店ができた。自分にとっては大きな出会いでした。

karasumaoike UI 渡り蟹のパスタ
渡り蟹のパスタ

あきひこさん:もともと日本酒のことメッチャ嫌いやったんです。吐いた記憶しかないし。「え?日本酒?けっこうです」みたいな感じでした。

でもある日「もしかしたら、飲まず嫌いしてるかもしれん」と思い、試してみたくなって。それで買ったのが萬乗醸造さんの「醸し人九平次 純米大吟醸 human」です。

どうせ試すなら良いのを飲んでみて、それで美味しいと感じなければもういいやと思ったんですけど、大当たり。クオリティも複雑性も衝撃的で、そこから沼ですね (笑)。

それで「日本酒のこと、ちゃんと勉強しよう」と考え、いろいろ共有できる仲間が欲しいと思って始めたのがTwitter(@AKIHIKOSAKE)です。

飲食店って、お酒がひとつのテーマなんです。お店の売り上げに大きく関わるので。だから、ちゃんと勉強しないといけません。

昔の自分からしたら考えられないですけど、美味しい日本酒に出会えて本当によかったと思いますね。

karasumaoike UIの日本酒

聞き手、文、写真:ダット

店舗情報

店名 karasumaoike UI(からすまおいけ うぃ)
所在地 京都市中京区押小路通両替町西入る金吹町459
予約方法 電話、ホームページ
電話番号 075-204-8428
公式サイト https://karasumaoikeui.owst.jp
営業時間
  • ランチ 11:30~14:00
  • (料理L.O.13:00、ドリンクL.O.13:30)
  • ディナー 16:00~23:00
  • (料理L.O.22:30、ドリンクL.O.22:30)
定休日 不定休
ご予算 平均5,000円弱
コース
  • ランチ:2,000円、3,800円、5,500円
  • ディナー:2,500円、3,800円、5,500円
  • (いずれも税別、前日までに要予約)
支払方法
  • ・現金
  • ・QRコード決済(PayPay)
  • ・クレジットカード(VISA、マスター、JCB、アメックス、DC、DINERS、銀聯)
  • ・電子マネー(iD、QUICPay、楽天Edy、WAON、Suica、ICOCA、PASMO、nanaco)
喫煙 全席禁煙、坪庭に喫煙スペースあり

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